2009年08月10日
ロシアのこまど〜vol.4「Бальзам(バルザン)」

今回は、「Бальзам(バルザン)」というお酒についてご紹介します。
今年の初め、スタッフがチェボクサリへ出張に行った時、Бальзам(バルザン)というチェボクサリのお酒をお土産にいただいて帰国しました。Konturのスタッフから「草のお酒です」と手渡されたそうで、草のお酒・・・どんな味なんだろうと不思議に思っていましたが、BAN事務所に来てくれているロシア語の先生に、бальзам(バルザン)に入っているものを見てもらい謎が解けました。ウォッカにカモミール、ブタクサ、はちみつ、ミント、カーネーション、くるみ、ナナカマド、サクランボが入っているそうです。草は草でも、ハーブなどの生薬が入った薬草酒でした。
ロシアには数多くバルザンのブランドがあり、コショウ、レモン、ミント、ナナカマド、ハーブなど加えられるものは地域によって様々で、甘口、辛口と種類もたくさんあるそうです。中には鹿の角が入ったバルザンもあるとか。滋養強壮に効果があるとされ、紅茶などで割り、薬用酒として飲まれることが多いようです。
ロシア語の先生がロシアで働いていた頃、冬に暖房が故障したことがあり、温かい紅茶にバルザンを入れたポットを、職場に持っていっていたそうです。バルザンを飲むととても体が暖まるのですが、職場でお酒とは、なんともおおらかでロシアらしいエピソードでした。
わたしもバルザンを飲んでみたのですが、とても香りがよく、とろりと甘くてスパイシーな美味しいお酒でした。あまりの美味しさに45度というアルコール度数を忘れ、ついつい飲み過ぎてしまったのですが、夜になり冷え込んでも、体がぽかぽか、翌日になっても体が燃えるように暖かく、バルザンの効能を思い知りました。
数は少ないですが、日本でもロシア料理店やウォッカバーなどでバルザンを置いているお店があるようです。もし、バルザンを口にする機会があれば、入っている薬草の種類や作られた土地に思いを馳せ、飲み比べを楽しむのもいいかもしれません。
(kimura)
2008年11月17日
ロシアのこまど〜vol.3「UAZ」

秋も深まり、大学通りの紅葉が楽しみな季節になりました。
ロシア文化の紹介、第3弾は、ロシア国産車「UAZ(ウワズ)」についてです。
UAZは、チェボクサリと同じくヴォルガ川に臨む街ウリヤノフスクに本拠を置く自動車メーカーです。1941年に、軍事用武器メーカーとして創業し、後にトラックメーカーとして自動車の製造を始めます。その後、世界でも珍しい四輪駆動専門の自動車メーカーとしてVANの製造を始めます。このVANは、1958年以降、ほとんどデザインを変えておらず、ロシア国内では商業用、軍事車両などに使われるベストセラー車です。
日本にも代理店があり、日本仕様に整備されたものを新車で手に入れることができます。お値段200万円。日本でも、知る人ぞ知る車で人気があるそうです。
資料集めの時に見つけたUAZに一目惚れをし、愛嬌のあるまん丸目に心を掴まれてしまいました。今年6月にエキスポの準備ため、チェボクサリへ出張に行った時、街中至る所でUAZが走るのを目撃し、念願の生UAZに興奮しきりでした。ジープタイプもあり、チュバシでは、パトカーに使用されています。ジープ型もまん丸目、トレードマークのカモメのエンブレムのUAZに、強面の警察官がぎっしり乗っている様子は、こわいながらも少し微笑ましくも感じました。
そんな中、展示する模型の手直しをしているときに、カッターで勢い良く手を切ってしまいました。応急処置をしてもらったものの、出血の多さに、チェボクサリのスタッフの方が心配をして救急隊員をよんでくれました。なんと、救急車もUAZでした。手を切ったショックと、海外で手当を受ける不安が、和らいだような気がしました。

チェボクサリの救急車。UAZです。
ちなみにロゴマークは、カモメのモチーフです。これは、カモメの飛行時のバランスの良さ、カモメを囲む円は技術の正確さ、製品の完璧性を表すものだそうです。
カモメはロシア語で“チャイカ”。世界初の女性飛行士テレシコワが言った「ヤーチャイカ(わたしはかもめ)」という言葉で聞き覚えのある方もいるのではないでしょうか。ロシア人にとって、カモメはたいへん親しみのあるものだそうです。UAZが世界で類をみないほどロングセラーを誇るのには、このカモメマークも一役買っているのではないかと感じます。

ジープタイプ。タイヤのカバーにあるのがUAZのかもめマーク。
(kimura)
2008年04月16日
ロシアのこまど〜vol.2「ダーチャ」

image「ロシアの中学生(学習研究者)」より抜粋
すっかり春真っ盛り。桜が終わり、国立では大学通りのチューリップやパンジーが色とりどり咲いています。
先週からスタッフがチュバシへ出張に行っています。まだまだ寒そうだと思っていましたが、チュバシもすっかり春で、気温は20℃程で暖かいそうです。
今回のロシア文化の紹介は、ロシアの人たちが週末や休暇を過ごす「ダーチャ」についてです。
ロシア国民の6割程が、郊外にダーチャという菜園付きの別荘を持っています。日本でいうリゾート的な別荘とイメージは異なり、ロシアの人たちにとってダーチャは特別なものではなく、多くの庶民が所有する、日常生活にかかせない自給自足の場であり、憩いの場でもあります。
ロシア中の野菜や果物のほとんどがダーチャで作り出されていると言われる程で、じゃがいもにおいてはロシアの生産量の90%をダーチャの家庭菜園による生産が占めているそうです。
市街地から車で30分から1時間ほどの距離にあり、そこに小屋やバーニャというサウナ小屋を自分たちで建て、家庭菜園で農作業をしたりして週末や休暇を楽しみます。
週末にはダーチャラッシュがあり、ダーチャへ向かう人々で渋滞が起きることもしばしばあるそうです。
ロシアの人たちは、春の雪解けを待ち、毎週のようにダーチャへ出かけるようになります。夏にかけて野菜や果物を育て、秋には収穫物を長い冬を乗り切るための酢漬けや塩漬けといった自家製の保存食にします。
ダーチャのまわりでは川や湖で水遊びや魚釣りをしたり、森や林でキノコ狩りやベリー摘みをしたりと楽しみはつきません。
ロシアの豊かな生活スタイルからは学ぶことが多く、毎日を慌ただしく過ごす私たちの暮らし方のヒントがたくさんつまっているように感じます。
(kimura)
2008年02月12日
ロシアのこまど〜vol.1「テルミン」

image「大人の科学vol.17」より抜粋
チュバシ共和国の都市計画のプロジェクトが始まり、ロシアの歴史や文化に触れることが多くなりました。これまでロシアといえば寒くて暗いというイメージを持っていましたが、食事はとてもおいしく、デザインも色とりどりで可愛らしいものが多く、ロシアの文化は、どれも興味深いものばかりです。
今回から少しずつ、そんなロシア文化の紹介をしていこうと思います。
第一回はロシア生まれの楽器、テルミンです。
「テルミン」は、1920年にロシアの発明家レフ・セルゲーエヴィッチ・テルミンによって発明された世界最古の電子楽器でシンセサイザーの祖と言われています。テルミンに鍵盤などはなく、楽器に一切手を触れず、空間に手をかざすことで音をつむぎだす独特の演奏スタイルを持つのが特徴です。
少し前にテルミン奏者の映像を見る機会があり、不思議な楽器だなあと興味を持ち、ミニサイズのテルミンを手に入れました。
演奏は難しそうに見えますが、チューニングさえあえば、音階を見つけるのはそれほど難しくありません。私も、たどたどしくですが、「きよしこの夜」を奏でることができました。手で音を探りながらメロディーを追っていく感じが、知らない歌を歌う感覚と似ているように思いました。
テルミンは恐怖映画やSF映画の効果音としておなじみですが、奏法や演奏者によって音色の印象が随分変わり、弦楽器のようにもソプラノ歌手の声のようにも聞こえ、その音色には癒し効果のある「ゆらぎ」が見られることがわかっています。
テルミンはホラー映画の不協和音から、人が心地よくなる音色まで出せる実に表現力豊かな楽器です。バレエ音楽やオペラ、ジャズや映画音楽とさまざまなジャンルの音楽にも取り入れらているそうで、今後、テルミンの音色に注目してみるとおもしろいかもしれません。
(kimura)