2007年04月25日
直島プロジェクト

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毎年美しい国立の桜の花見もそこそこに、以前より気になっていた岡山県にある島、直島に出かけてきた。直島は岡山県からフェリーで15分程で行ける小さな島。もともとゴミ処理場施設と三菱マテリアルの製錬所のある町として発展してきた島ですが、その美しい自然と風景はそのままに数年前よりベネッセによるアートサイトプロジェクトが始まり、今では現代アートの島としてその名が知られるようになりました。今回はちょうど「NAOSHIMA STANDARD2」が開催されていました。
直島を訪れてまず感じた事は、現代アートという一見難解で漠然としたものを、分かりやすく、誰でも楽しめるようにしているということ。直島に点在する奇妙なアート作品の数々が、この島の美しい風景を壊す事も無く、なんの違和感もなく風景に溶け込んでいる。それだけで、直島という場所を通してアーティストと、作品を見る人の間の境界を消しているように思えてくる。難解に思えた現代アートも、この島で体験するととても身近で親しみのあるように感じてしまいます。
その貢献者として、地元の町民の方々も忘れられません。訪れる観光客に対して、誰よりも直島や作品について詳しく説明をしてくれる。数年での島の大きな変化に反発することもあっただろうに、その変化を受け入れ、楽しんでいるようにさえ思えます。「直島」という名前の由来が「素直な人々が住む島」というのも納得ができるほど。
町を歩いていると、普通の民家の玄関先には、「お手洗いお貸しいたします」の看板がよく見かけます。迷っているとすぐに声をかけてきて案内してくれます。それだけ直島を好きだから、直島に訪れる人にも好きになって欲しい、ということなのでしょう。
そしてこの島は、「アート」という共通言語のもとに子供から老人、貧乏学生からセレブな大人、日本人から外国人まで、誰もがアートを満喫して過ごせるようになっています。「アート」自体、どんな人でも楽しめる言葉を超越した豊かな文化ですが、改めてそれを実感しました。「アートを楽しむ時間を過ごす」。このことにストイックなまでに徹底しています。一泊3000円程度の安宿に泊まって美大生らしき学生同士交流しながらまわっても良し、一泊30000円のベネッセハウスで誰にも邪魔されずに上質な時間を過ごすも良し。たとえ貧乏な学生でもベネッセハウスのカフェでお茶を楽しむこともできる。ただどんな環境の人も、違う楽しみ方で同じ作品を見る。
この直島を訪れて「現代アートが好きになった」という人はかなり多いだろう。私もその一人です。様々なアーティストが直島の風景とそこに住む人々に出会い、作品を制作する。訪れた人々は直島でその作品に出会う。直島は、アーティストと観覧者が会話ができる島でした。
2006年07月10日
開催国はエコ先進国

夏に向けて雨が降り注ぎ、蒸した空気が漂う梅雨のこの季節。およそ1万km離れたヨーロッパでは日本とは全く違う熱気に包まれていた。
世界一の祭典・サッカーワールドカップの熱気に。
超満員のスタンドに入り、まず最初に感じたのはさすが環境問題最先端のドイツと感じさせる工夫をしていること。
観戦には欠かせないドリンクの料金に、3割増でプラスチックコップの代金が含まれているのだ。ビール1杯4.5ユーロに対し、コップを返却すればデポジットとして含まれている1ユーロ返ってくる仕組み。実に簡単な仕組みなのだが、これがすごい効果を発揮している。
コップを30個程拾い集めてる人に触発され、僕もコップ拾いの旅をしてみたのだが、11個を集めるのが精一杯。本当にゴミが落ちていないのだ。
街なかを見てみると、日常的にもスーパーや駅のキヨスクにおいてある瓶やペットボトルにも採用されているようだ。
隣に座っていた地元市民にいつから実施されているのか聞いてみたところ、「もう何年前からやってるか憶えてない。」という返答に、この政策の年季が感じられる。
日本もビール瓶を返すと何十円か返ってきたような気がするが、なぜ発展しなかったのか。
スタジアムそのものも、W杯のために多くを新設するといったわけではなく、歴史と伝統のあるハード面に、熟考された現代的なソフト面を加え改修されたものが多く、それは街においても同じことが言えた。良い部分は残し、変更を余儀なくされた部分のみ新しくする。そこにドイツの洗練されたデザインが加わることにより全く違和感がない。本当にムダなものがないのである。
街には日本のコンビニのようなものはほとんどなく、扱っている食べ物はみな新鮮でその場でひと手間加えて提供されている。駅には必ずと言っていい程パンとソーセージが売られている。ちょっと固めの生地のパンと、ボイルしさっと焼き目を付けたソーセージにケチャプとマスタード。とてもシンプルなひと手間なのに、日本のコンビニにおいてある何よりも数十倍もおいしい。もちろん包装なんてものはない。
ワールドカップではビールコップを片手に環境問題を考えさせる旅になった。それだけ開催国ドイツは日常的にエコ政策を取り入れているということだろう。
(katube)
2005年05月11日
フィンランド視察レポート(1)ウエルフェルミーナ老人施設




前回のヘルシンキ往訪は確か1991年だと記憶しているので15年前にもなる。
ヨーロッパのどの都市をとっても東京ほど景観に変化が見られる都市はないだろうが、現在ヘルシンキは東京と負けず劣らず大きな変化が見いだせる。
その大きな変化の特徴を一言で表せれば、明るくなったという印象である。建物に使われているガラス面の大きさのせいかもしれない。人々の顔により多くの光が照り輝いているようだ。
FWBC(Finland Wellbeing Center)社長のテルバスカリ博士の案内を得て、ヘルシンキ中心にあるウエルフェルミーナ老人施設を見学した。施設構成は周辺住民も自由に利用可能なプールを含むリハビリトレーニング場、日本でいう特別養護老人ホーム、グループホームそして高齢者用アパートの複合施設となっている。
玄関ホールからセルフサービスのレストランが見え、レストランコーナーと談話コーナーとの間にモダンな暖炉が配置されていた。その意表をつくような施設構成の驚きよりももっと驚きなのは、施設特有の臭いが全く感ぜられないということである。最初はレストランの匂いで相殺されているのかと思ったが、そうではなかった。私が滞在中に訪問した他施設でも全くといってよいほどに臭いは感ぜられなかったのである。
その要因を問うと、勿論空調設備への配慮はあるがとにかくこまめに掃除をすることがその秘訣なのだそうである。人員配置に日本と比べ余裕があるのではと思ったが、実はそうでもないということが後でわかった。その理由がまさにフィンランド方式であると私は理解している。しかしこの件は後でお知らせします。
明るいという印象について興味深い説明を得ることができた。それは談話コーナーなど利用者が集まる場所は、太陽に近いぐらい明るくし、それ以外の場所は普通の照度を保っているのだそうだ。人は明るい方に動くノ..。利用者同士のコミュニケーションを最も大切にし、外部から身内、近隣住民が施設にも居住者の談話にも入りやすい環境をデザインしたという。
2004年12月01日
北京大山子芸術区

11月6日、北京ではこの季節、すでに冬の寒さに入る時期です。
古い街並みや廃墟となりつつある街の再生が全国で展開され、町もリサイクルの時代を迎えているといえるのかもしれませんが、そんな折、2008年北京のリッピックが開催される北京市内において、やはり廃墟化しつつある工場地帯がアートの中心地として新たな再生が行われているときき、その現場を幸いにも視察に行く事ができました。
北京市内から車で40分ほどの郊外に朝陽区、大山子(Da Shan Zi)芸術区という場所があります。
ここには1950年、旧東ドイツが旧ソ連に軍需供給施設として提供した工場群があり、現在は半数以上空きスペースと化しておりました。そのなかでも「798」という工場では北京のアーティストによってギャラリーへと様変わりしたのをきっかけに、「798」を中心としてギャラリー、カフェ、レストラン、ブックショップ、ファッションショップなどが集まり、芸術区を形成しはじめました。
今や北京のアート事情を探るには欠かせないスポットとなり、世界中から観光や、アートビジネスを目的に様々な国の人々が多くこの地区を訪れ、観光スポットとしても、アートスポットとしても知らないものは無いという場所となりつつあるのです。